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気分の波でサーフィンしようよ

気分の上下を乗りこなすための奮闘記と、カウンセリングの記録が主です。思いつくままに書いてるので文章がめちゃくちゃなことがよくあります。twitter→@gake_hake

カウンセラーと触れ合った話と、感謝を伝えて心が幸せになった話。

私が大事にしているカウンセラーとの思い出がある。

冬の日、初めて自殺企図をして、親が学校まで迎えに来るという状況になった。だから親が来るまでの間、カウンセラーさんと私はいつもよりもかなり多くの間一緒にいた。

親に強制的に迎えに来てもらうという状況は私にとって予想外の事だったし、自殺しようとしたことなど親に知られたくなかったので、「いやだよ!」と、声を荒らげた。頭では仕方ないと分かっていたけれど、声を出さずにはいられなかった。

不安や焦燥、緊張、恐怖、羞恥心、いろいろな感情がごちゃごちゃとまざってどうしようもなかった。頭がぐるぐると混乱する中、感情に流されるまま彼女に「隣に来てくれない?」と縋るように言うと、「どうして?」と言いながらもすぐ立ち上がり、私が荷物をどけたすぐ隣に、ストンと腰をかけた。

そのあとの私の行動は、恥ずかしいったらない。

あろうことか「触っていい?」なんてきいたのだ。もちろんやましい気持ちは一切無くて、ただただ、落ち着きたくて、考え着いたのが人に触れるという行為だったのだろうけど、そんなことを急にきかれたら誰でもびっくりするだろう。例外なく彼女も若干引き気味に「どこを?」と聞き返して来た。そりゃそうだ、そんなふうに聞いたらね。

私が「腕。」と答えると、彼女は「いいよ!」と左腕をこちらに寄せ、私は彼女の腕に自分の腕を組ませた。

なんて、安心するのだろうと思った。

暫くして腕を離したのだけど、その後も寒くも無いのに何だか身体が震えてしまって、(手が震えている…)と思っていたら、カウンセラーの方から無言で手を握ってくれた。私はそれでまた落ち着きを取り戻して、何故かしばらく握ってもらっている手をこしこしと擦っていた。多分安心出来るんだろうね。擦ると。貧乏ゆすりみたいなものかな。

 

閉室時間をとおにすぎたカウンセリングルームで、彼女の買って来てくれたサンドイッチとスープを二人で食べた。「ちゃんと全部食べたね。」と彼女が言ったのを憶えている。

食べ終わったあと、小さくて、妙に明るい部屋にいる事が息苦しくなった我儘な私は外に出たくなった。涼しい外の空気を吸いたかったのである。

1人では逃げる可能性を鑑みて出させられないということで、カウンセラーさんと一緒に出るということで許可をもらった。

外に出てみるともうすっかり日は落ちていて、雨上がりのじっとりした湿気が体にまとわりついてくるようで気持ち悪かった。でも、閉鎖的な部屋の中に篭っているよりは随分ましに感じた。

彼女と、「なんか生暖かいねー」と顔をみあわせる。しばらく取り留めのない話をし、私が真っ黒な空を見上げていると、「もうそろそろ戻る?」と声をかけてきた。

私はまだ戻りたくはなかった。部屋に戻ってもただ座って、嫌な感情に苛まれるだけだし。でも、カウンセラーはやることがあるって言ってたし、戻らないと、でも…。と、私が堂々巡りをしながら無言で入口を眺めていると、彼女が先に口を開いた。

「じゃあ、私はちょっと探したいものがあるから、それを見に行こっか。」 

あ、察して貰えた。と思った。彼女は私の考えを察した。そして、「あなたが」外にいたそうだから、ではなく、「私が」いたいからという理由で外にいる時間を延ばしてくれた。

とても嬉しかった。とても些細なことではあるのだけれど、気持ちを汲んでもらえるというのは私にとってとても嬉しいことなんだなと思った瞬間だった。思えば、私の家族はそういうことを一切してくれない、出来ない家族だったのだ。だから、ずっと欲しかったものを彼女がくれたのだなと感じた。

まるく、棘のない優しさ。受け取りやすい姿をした優しさである。

当たり前に存在するものなのかもしれないけれど、私にとってはこれだけ衝撃を受けるくらい身近に感じられなくて、欲しい人からは貰えなかったものなのだろう。

たったこれだけの事なのだけどね。ああ、こんなふうに優しさをくれる人も居るのだなぁと思えたのは私にとってとても大きなことだった。心の底から、このカウンセラーに出会えてよかったと思った。

 

今日、その衝撃を彼女に伝えることが出来た。きっかけは精神科医に、「カウンセラーさんにその感謝の気持ちを伝えてみてもいいかもよ?」と言われたから。ずっと心であたためていた感謝の気持ちをちゃんと表明してみようと。

まあ、彼女の事だからちょっと涙ぐむかなくらいに思っていたら、なんと、彼女ったら話が終わってからぽろぽろ泣き出したのである。私に言葉を返しながら、鼻と、目を赤く染めて。これには驚いた。そんなに泣くのかと。でも、ちゃんと受け止めてくれたということなんだなぁと思うと、何だか胸がほうっと温まっていくのを感じた。

ちゃんと伝えられてよかった。死んでしまっていたら言えなかった。

「もらった優しさを、私もばっけさんに返したり、ほかの人にも繋げられるからとてもありがたいよ。」と彼女は涙声で言った。その後またいつものように、「私は未熟者だから」と言っていたけれど、私にとって先生は未熟だなんてとんでもない、あなたのような感性を持ちたいと思えるとっても良い見本だよ、と思ったのだけど、口には出せなかったな。

 

大切な思い出を伝えたことで、また一つ大切な思い出が増えた。今日はいい日だ。

大切な人に感謝を伝えると、こちらも幸せな気分になれるのね。学んだよ。